- ADHDの自分はどんな仕事が向いているの?
- 反対に向いていない仕事はある?
- どうすれば働きやすくなるの?
- 困ったときに相談できる場所はある?
この記事ではこのような疑問について、詳しく解説します。
ADHDの特性を持つ方の中には、自分に向いている仕事や向いていない仕事がわからず、就職や転職に悩んでいる方も少なくありません。
しかし、ADHDの方の多くが自分の特性を理解し、それに合った仕事や働き方を選ぶことで能力を発揮しながら働くことができます。
本記事では、仕事を選ぶ際のポイントから困ったときに相談できる場所まで丁寧に解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ADHDの方に向いている仕事
ADHDの方は自分の好きな分野や得意な分野の中で、行動力や発想力、コミュニケーション能力、集中力などを発揮しやすい仕事が向いています。ここでは、ADHDの特性を活かせる具体的な職種とその特徴について紹介します。
行動力を活かせる仕事
- 営業職
- 販売職
- イベントスタッフ
思い立ったことをすぐに実行にうつせるのもADHDの長所のひとつです。この行動力はスピード感が必要な職種において大きな強みになります。
具体的には、営業職、販売職、イベントスタッフなどの職種が挙げられます。これらの仕事は人と関わる機会が多く、日々状況が変化するため、柔軟な対応力やフットワークの軽さを活かしやすい職業でもあります。
また、同じ作業を繰り返す場面が比較的少ないため、変化のある環境を好む方にもおすすめです。
想像力・発想力を活かせる仕事
- ライター
- デザイナー
- 動画編集者
ADHDの方のなかには、豊かな発想力や独創的なアイデアを生み出せるという特性を持つ方がいます。周囲とは異なる視点で物事を考えることができるため、新しい企画を思いついたり、独創的なアイデアを生み出すことができます。
具体的には、Webライター、デザイナー、動画編集者などのクリエイティブな職種が挙げられます。また、自分のアイデアを形にできる仕事は達成感を得やすく、モチベーションの維持にもつながります。
人と関わる機会が多い仕事
- 接客業
- 介護職
- 保育補助
ADHDの方の中には、親しみやすさや行動力を活かして人との関わりの中で力を発揮する方もいます。人とコミュニケーションをとる場面では、その明るさや行動力が信頼関係づくりに役立ちます。
また、状況の変化にも柔軟に対応しやすいため、接客業や介護職、保育補助などの仕事にも向いているといえるでしょう。ただし、人との関わり方には個人差があるため、自分に合った環境を選ぶことが大切です。
興味のある分野に集中できる仕事
- プログラマー
- エンジニア
- 研究者
ADHDの特性を持つ方の中には、関心のある分野に対して高い集中力を発揮できる方がいます。この集中力は専門性が求められる仕事で活かしやすく、具体的な職種としてはプログラマーやエンジニア、研究者などが挙げられます。
好きな分野と仕事が結びつくことで、より大きな成果を出しやすくなるでしょう。また、自分のペースで作業を進められる職場も多く、集中しやすい環境が整えられるという点も魅力といえます。
ADHDの方に向かない仕事

ADHDの特性によっては、仕事内容や職場環境によって負担を感じやすい仕事があります。ここでは、一般的に向かないとされる職種とその特徴について解説していきます。
高い正確性が求められる仕事
- 経理、秘書
- 看護師
- 医療事務
経理や秘書、看護師、医療事務などの仕事は小さなミスが大きな影響につながる場合があり、不注意によるミスを起こしやすいADHDの方には負担となることがあります。
単調な繰り返しが多く、変化の少ない仕事
- 工場のライン作業
- 事務
工場のライン作業や事務職などは同じ作業を繰り返すことが多く、変化が少ないため集中力が途切れやすい場合があります。
また、ADHDの方の中には長時間集中し続けることを苦手とする方もおり、細かな確認作業が多い仕事では負担を感じやすい傾向があります。
締め切りに追われる仕事
- 編集者
- 校正・校閲
- 広告制作
編集や校正・校閲、広告制作などの仕事は、決められた期限までに正確に業務を完了させることが求められます。
ADHDには時間管理や優先順位をつけることが苦手という特性があり、そのような方は締め切りに追われる環境下では強いストレスを感じることがあります。そのため、常に納期に追われる仕事は大きな負担になりやすい傾向があります。
細かい確認作業が多い仕事
- 品質管理
- テストエンジニア
品質管理やテストエンジニアなどの仕事は、細かなミスや異常がないかを繰り返し確認する作業が中心となります。
ADHDの方には不注意の特性があり、長時間にわたる確認作業や細部への注意が必要な業務は困難に感じやすいことがあります。そのため、高い集中力と正確性が求められる仕事は負担に感じるかもしれません。
ADHDの特性と得意なこと・苦手なこと

ADHDの方が自分に合う仕事を見つけるためには、まず特性を理解することが大切です。ここでは、ADHDの主な特性と得意なこと・苦手なことについて見ていきましょう。
ADHDの特性
ADHD(注意欠如多動症)は発達障害のひとつで、不注意・多動性・衝動性が主な特性です。特性の現れ方には個人差がありますが、一般的には大人になるにつれ不注意が目立つことが多いといわれています。
不注意優勢型
忘れ物やなくし物が多い、ケアレスミスが多いなど、不注意の特性が強く出やすいタイプです。また、集中力を維持することが難しく、作業の抜け漏れが起こりやすい傾向があります。
多動・衝動性優勢型
落ち着いて座り続けることが苦手だったり、思いついたことをすぐに行動に移したりと、多動・衝動性の特性が目立つ傾向にあります。また、静かにしていることが苦手で、衝動的に動いてしまうこともあります。
ADHDの方が得意なこと
ADHDの方には行動力や豊かな発想力があり、特に興味を持ったことに対しては高い集中力を発揮できるといわれています。物事に柔軟に対応でき、フットワークが軽く、素早く行動にうつすことができます。
集中力
ADHDの方は、興味のあることに対して高い集中力を発揮できる場合があります。好きな分野に深く取り組むことができるため、専門性を高めたり、成果を上げたりすることができます。
発想力
ADHDの方の中には、豊かな発想力を持つ方もいます。既存の考え方にとらわれず、他の人とは異なる視点で新しいアイデアを生み出せることは、クリエイティブな仕事において強みとなるでしょう。
行動力
ADHDの方には、思い立ったことをすぐ行動に移せる場合があります。新しいことにも積極的に挑戦できるため、変化の多い環境やスピード感のある仕事で力を発揮しやすいでしょう。
ADHDの方が苦手なこと
ADHDの方は、不注意の特性から細かい確認作業や単調な作業を苦手とする傾向があります。
また、スケジュール管理や優先順位をつけて計画的に進めることが難しかったり、長時間同じ作業を続けることや興味の持てない業務に集中し続けることに負担を感じやすい傾向があります。
細かな確認作業
ADHDの方は、不注意の特性から確認漏れやケアレスミスが起こりやすい傾向があります。そのため、細かなチェックを繰り返す作業はストレスに感じやすくなります。
スケジュール管理
ADHDの方の中には、時間管理や優先順位をつけることを苦手とする方もいます。そのため、締め切りの管理や複数の業務を並行して進めることに負担を感じやすくなります。
興味のない作業への集中
ADHDの方は、興味の持てない作業では集中力を維持しにくい傾向があります。単調な作業や長時間同じ業務を続けることは負担が重くなります。
ADHDの方が働きやすくなる工夫
ADHDの特性による困りごとは、日々の工夫によって軽減できる場合があります。ここでは、働きやすくなるための具体的な工夫を紹介します。
マルチタスクを避ける
仕事を進めていくうえでまず大切なのは、一度に複数の作業をしようとしないことです。
ADHDの方は物事を順序立てて考え、複数の作業を同時進行で行うことが苦手な傾向にあります。仕事を進める際には、ひとつの仕事を完了させてから、次に取り掛かりましょう。
自分に合った作業環境を整える
仕事に集中するためには、環境を整えることも大切です。ADHDの特性を持つ方は集中力が分散しやすいので、集中できる環境を整えましょう。
感覚過敏がある場合には、それをやわらげるアイテムを使うのがおすすめです。匂いが気になる場合はマスク、雑音が気になる場合はノイズキャンセラーなどが役に立ちます。これらは職場だけでなく、日常生活においても使える便利なアイテムです。
うっかりミスを防ぐポイント
業務内容がたくさんある場合は、細かくToDoリスト化することもおすすめです。書き出すことで優先順位がつけやすくなり、やるべきことが明確になることによって、迷うことなく作業に集中しやすくなります。
また、完了したらひとつずつチェックしていくことで達成感も得やすくなり、モチベーションの維持にもつながります。
仕事の予定が入ったら、必ずメモすることを習慣づけましょう。そのときには、カレンダーアプリが活用できます。手書きでメモをするという方法もありますが、その日の予定を通知してくれたり、好きな時間にアラートを設定できるアプリの方がおすすめです。
それでもミスが減らない場合は、上司や同僚に自分がよくミスをする業務や重要な業務に絞って、ダブルチェックを依頼するのもミスを防ぐひとつの手です。
困ったときの相談先を探しておく
悩みを一人で抱え込むと、ストレスが大きくなり、仕事を続けることが難しくなる場合があります。職場の上司や同僚だけでなく、ハローワークや発達障害者支援センターなどの支援機関を活用することで、自分に合った働き方についてアドバイスを受けられます。
困ったときにすぐ相談できる環境を整えておくことは、仕事を長く続けるための重要なポイントです。
ADHDの方が仕事を探すときのポイント

仕事を選ぶとき、職種だけではなく、働き方や環境が自分に合っているかも重要なポイントになります。ここでは仕事を選ぶうえで大切なポイントを3つ紹介します。
自分の得意・苦手なことを把握する
就労を考えるときに、まず大切になるのは自分の得意なことや苦手なことを正しく把握することです。自分の特性を理解することで、自身に合った仕事が見えてきます。また、苦手なことを事前に把握しておくことで、仕事選びのミスマッチを防ぎやすくなります。
自分の強みを活かせる仕事を選ぶことが、長く働き続けるためのポイントです。
自分に合った働き方を選ぶ
働き方には正社員だけが選択肢ではなく、他にもさまざまな形があります。たとえば、パートやアルバイト、在宅ワーク、障害者雇用など働き方には様々な形があり、自分の特性や生活状況に合わせて選ぶことが可能です。
このように無理なく働き続けるためには、仕事内容だけでなく働き方にも目を向けることが大切です。自分に合った働き方を選ぶことで、仕事への負担を軽減しやすくなります。
職場にADHDへの理解があるか
仕事を探すうえで欠かせないのは職場にADHDへの理解があるかどうかという部分です。職場の理解の有無は、働きやすさに大きく影響します。
たとえば業務の進め方を自分に合わせて工夫できたり、困ったときに相談しやすかったりする環境であれば、安心して働き続けやすくなります。面接時には、業務内容やサポート体制について確認しておくことをおすすめします。
仕事を選ぶときには、自分の特性を理解し、働き方や職場環境を総合的に考えることが大切と言えるでしょう。
ADHDの方の仕事探しを支援する相談先
ADHDの方が一人で仕事を探すことは負担が大きい場合があります。ここでは仕事探しを支援する相談機関について解説していきます。
一人で悩まず、早めに相談することが就職や職場定着への第一歩になります。困ったときは、支援機関を活用しながら、自分に合った働き方を見つけましょう。
ハローワーク
都道府県に設置された公共機関で、障害者向け求人を含む幅広い求人情報を取り扱っています。
障害のある方のための専門窓口もあり、専門的な知識を持つ相談員が、就職に関する相談や就職した後のサポートまで幅広くおこなっています。
発達障害者支援センター
発達障害に関する専門的な相談に対応しています。
就労に関する悩みや、自分に合った働き方についてアドバイスを受けられます。本人だけでなく、家族からの相談を受け付けている場合もあります。
障害者就業・生活支援センター
就職活動だけでなく、生活面も含めた総合的な支援を受けられる機関です。就職後の職場定着支援も行っています。
地域若者サポートステーション
働くことに不安を感じている若者を対象に、相談や就労支援を行っています。職業体験や就職活動のサポートも受けられます。
地域障害者職業センター
職業評価や職業準備支援など、専門的な就労支援を提供しています。自分の強みや課題を把握したうえで就職活動を進められます。
就労移行支援事業所
一般企業への就職を目指す障害のある方を対象に、職業訓練や就職活動支援を行っています。
就労継続支援事業所
一般就労が難しい場合に、働く機会や訓練の場を提供する福祉サービスです。一般就労に向けた準備段階として利用されることもあり、自分のペースで働くことができます。
自分のペースで働くなら就労継続支援B型事業所就労センターへ

就労継続支援B型は、障害や病気などにより就労に課題がある方を対象とした福祉サービスです。雇用契約を結ばないため、体調に不安がある方でも利用しやすく、自分のペースで働けます。
また、支援員に相談しながら働くことができるため、一般就労に不安がある方や一般就労を目指す方にも適しています。
就労センターでは、これまでにもADHDをはじめとする発達障害のある多くの方々への支援に取り組んできました。さまざまな作業の中から自分に合った仕事を選べるほか、個室も完備しており、集中して働きやすい環境を整えています。
ADHDで就労に不安がある方は、就労センターで新たな一歩を踏み出してみませんか。ぜひ、お気軽にご連絡ください。
まとめ
本記事では、ADHDの方に合う仕事や選び方、仕事を長続きさせるための工夫、困ったときの相談先などを紹介しました。
ADHDの特性は、人によって現れ方が異なります。そのため、自分自身の得意なことや苦手なことを理解し、自分に合った働き方を見つけることが大切です。
自分自身の特性を正しく理解し、それに合った仕事や環境を選ぶことによって強みに変えることができます。仕事選びや働いているなかで困りごとがある方は、一人で悩まずにぜひ支援機関を活用してみてください。
この記事が、これから就職しようと考えている方や仕事で困りごとを抱えている方のお役にたてましたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。















