- ひきこもりでも利用できる就労支援にはどんな種類があるの?
- 就労支援を利用すれば社会復帰できるの?
- 就労支援を利用したらどんな効果やメリットがあるの?
この記事ではこれらの疑問について、詳しく解説します。
ひきこもり状態から社会復帰を目指したいものの、何から手をつければ良いかわからず、なかなか一歩を踏み出せずにいる方も多いかと思います。
長期間社会から離れていればいるほど、就労に対する不安は大きいでしょう。
しかし、ひきこもりの方がご自身のペースで社会とのつながりを取り戻せるよう、国や自治体はさまざまな就労支援サービスを用意しています。
そこで今回は、ひきこもりの方が利用できる就労支援サービスの種類やメリット、利用開始までの流れを詳しく解説します。
目次
ひきこもりの方への就労支援

ひきこもり状態にあるご本人やご家族は、「この先どうなるのだろう」「働きたいけど、どうしたら良いか分からない」といった悩みを抱えている方も多いでしょう。
ここでは、ひきこもりの状態や社会復帰の可能性について解説します。まずはご自身の状況を客観的に理解することから始めましょう。
ひきこもりとはどんな状態?
厚生労働省の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」による、ひきこもりの定義は以下のとおりです。
様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)
引用元:厚生労働省「ひきこもりの定義」
コンビニエンスストアへの買い物や1人でのドライブなど、他者と交わらない形での外出をしている場合でも、ほとんど自宅で過ごしているのであれば、ひきこもりに含まれます。
ひきこもりの原因・きっかけ
厚生労働省の調査によると、ひきこもり状態になった主な原因・きっかけとして、以下の8つが挙げられています。
- 退職したこと
- 人間関係がうまくいかなかったこと
- 病気
- 新型コロナウイルスの流行
- 家族の介護・看護
- 人間関係がうまくいかなかったこと
- 妊娠したこと
- 就職活動がうまくいかなかったこと
参考:厚生労働省「ひきこもり状態になったきっかけ」
ひきこもりの原因・きっかけは多岐にわたるため、「これが原因だ」と断定できるわけではありません。
また、ひきこもりの背景に発達障害や精神疾患が隠れていたり、長期間のひきこもりで二次的に精神疾患を発症したりするケースも見受けられます。
ひきこもりからの社会復帰は難しい?
ひきこもりの期間が長くなるほど、社会復帰へのハードルは高く感じられるでしょう。
実際、ひきこもり状態が7年以上に及ぶ方の割合は15〜39歳で21.5%、40〜64歳では23.2%にのぼるという調査結果が出ています。
年齢が上がるにつれて在宅期間も長期化する傾向があり、社会との断絶が長引くほど、社会復帰に対する不安も大きくなりがちです。
一方で、内閣府の調査によれば、「就職意欲がある」と回答したひきこもり当事者は約75%にのぼります。多くの方が、心の内で現状から抜け出したいと願っているのです。
ひきこもりの方でも、適切な就労支援などのサポートや何らかのきっかけがあれば、社会復帰へ向けて一歩を踏み出せる可能性があります。
ひきこもりの方のサポート機関
主なひきこもりの方向けのサポート機関は、以下の3つです。
- ひきこもり地域支援センター
- 生活困窮者自立支援
- 地域活動支援センター
これらの機関では、専門知識を持つスタッフが在籍し、あなたのペースに合わせてサポートしてくれます。以下で詳しく見てみましょう。
ひきこもり地域支援センター
ひきこもり地域支援センターは、ひきこもり専門の相談窓口です。令和6年度(2024年度)までに38市区町村に設置されています。
ひきこもり地域支援センターでは、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ「支援コーディネーター」が、電話や面談でじっくりと話を聞いてくれます。本人だけでなく、ご家族からの相談も可能です。
また、本人の希望や状況に応じて、医療機関や就労支援機関などにつなぐ場合もあります。就職を希望する方に対しては、本人のペースに合わせてハローワークや就労支援事業所などへの同行も行います。
お近くのひきこもり地域支援センターの場所は、「ひきこもりVOICE STATION」をご確認ください。
生活困窮者自立支援センター
生活困窮者自立支援センターは、生活困窮者自立支援制度に基づいて各自治体が設置しており、市区町村や社会福祉法人などが運営している支援機関です。
経済的に困窮している方や生活上の困難を抱える方を対象に、生活の安定と自立に向けた幅広い支援を行っています。
特に就労に関しては、働きたいけれど一歩が踏み出せない方や、ひきこもり状態にある方の相談窓口となっており、職業訓練への参加や模擬面接などを通じ、一般就労へ向けたサポートをしてくれます。
利用をご希望の方はお住まいの地域の役所に問い合わせれば、窓口を案内してくれるでしょう。
地域活動支援センター
地域活動支援センターは、障害のある方に創作活動や生産活動を提供する施設です。障害者総合支援法の「地域生活支援事業」に位置付けられています。
本来は障害のある方を対象としていますが、市町村の裁量が大きく、柔軟な運営が行われているため、ひきこもりの方でも利用できる場合があります。
地域活動支援センターの主な活動内容は、以下のとおりです。
- 手芸
- 料理
- 体操・スポーツ
- カードゲーム
- カラオケ
地域活動支援センターは、障害者手帳や自立支援医療受給者証を持っていなくても、「生活リズムを整えたい」「日中活動の場が欲しい」などの想いがあれば、利用できる可能性があります。
興味がある方は、お近くのセンターに相談してみましょう。
ひきこもりの方が利用できる就労支援サービス

ひきこもりの方が利用できる就労支援サービスは、以下の8つです。
- ひきこもり支援推進事業
- ジョブカフェ
- サポステ
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
- 就労移行支援
- 就労定着支援
- ハローワーク
それぞれ詳しく見てみましょう。
ひきこもり支援推進事業
ひきこもり状態にある方やそのご家族を支援するため、国や自治体が連携して取り組む事業です。
具体的には、ひきこもり地域支援センターや支援ステーションなどの窓口を通じて相談を受け付け、必要に応じて医療・福祉・教育・就労支援などの機関とつなぐ役割を担っています。
また、併せて実施しているひきこもりサポート事業では、市町村や地域団体が中心となり、居場所や交流する場の提供、家庭訪問、家族向けの相談会などを行い、より身近な地域での支援を進めています。
ジョブカフェ
ジョブカフェ(若年者のためのワンストップサービスセンター)とは、若者が自分に合った仕事を見つけるためのさまざまなサービスを無料で受けられる施設です。
多くのジョブカフェは都市部に設置されていますが、地域によってはサテライト(分室)を設けてサービスを提供しています。
ジョブカフェの支援内容は、以下のとおりです。
- 地域の特色を活かした就職相談
- カウンセリング
- 各種セミナー
- 職場体験
- 職業紹介
ジョブカフェは、カフェのように気軽に立ち寄れる雰囲気作りを心がけています。「いきなりハローワークへ行くのは敷居が高い」と感じる方でも利用しやすいでしょう。
サポステ
サポステ(地域若者サポートステーション)は、現在仕事をしていない15歳〜49歳の方を対象に、就職に向けた継続的な支援を提供する機関です。
サポステには、キャリアコンサルタントや産業カウンセラーなどが在籍し、キャリア相談やグループワークを通じて若者の社会的自立を後押しします。
サポステの具体的な支援内容は、以下のとおりです。
- コミュニケーション講座
- ビジネスマナー講座
- 就業体験(ジョブトレ)
- 履歴書添削
- 面接トレーニング
- 就職後の定着フォロー
全国のサポステの所在地は「サポステネット」で検索可能です。無料で利用できるため、まずは電話やメールで予約し、面談を受けてみましょう。
就労継続支援A型
就労継続支援A型(以下、A型事業所)は、一般企業での雇用が難しいものの、雇用契約に基づいて働ける方を対象とした障害福祉サービスです。
利用者さんは決められた労働時間のなかで、清掃作業やパソコン業務などの仕事に従事し、労働の対価として給与が支払われます。
A型事業所では最低賃金以上の給与が保証され、社会保険や有給休暇といった労働基準法上の待遇も適用されます。
支援員が障害特性や体力を考慮して、業務内容を調整してくれるため、「自分にできる仕事があるだろうか」という方でも安心して働けるでしょう。
就労継続支援B型

就労継続支援B型(以下、B型事業所)は、障害や病気のある方を対象に、就労の機会や働くためのスキル習得の場を提供している障害福祉サービスです。
事業所と雇用契約は結ばず、自分のペースでできる軽作業を行います。
B型事業所では、給与ではなく「工賃」が支払われます。厚生労働省の調査によると、令和5年度の平均工賃月額は23,053円です。
参考:厚生労働省「令和5年度工賃(賃金)の実績について」
B型事業所は、利用者さんの特性や体調に合わせて、作業内容や作業時間を決められます。「長時間働く自信がない」「まずは簡単な作業から始めたい」という方に適しているでしょう。
就労移行支援
就労移行支援は、一般企業での就職を目指す障害のある方に対し、原則最長2年間、就職に必要な知識やスキル向上のための訓練を提供するサービスです。
就労移行支援事業所での主な支援プログラムは、以下のとおりです。
- ビジネスマナーやパソコンスキルの講習
- 対人コミュニケーションスキルの講習
- 生活リズムの改善支援
- 履歴書の添削・面接練習
- 職場実習
「自分に何ができるのかわからない」という方でも、スタッフとの面談を通して適性や興味を探り、向いている仕事や職場環境を一緒に考えてもらえます。
就職後6ヵ月間は、職場定着支援としてフォローアップを受けられます。A型事業所やB型事業所から一般就労に移行したい方も利用可能です。
就労定着支援
就労定着支援は、就労移行支援や就労継続支援を利用していた方が一般企業に就職し、6ヵ月が経過した後から最長3年間まで受けられる就労支援サービスです。
就労移行支援・就労継続支援などの障害福祉サービスを利用して一般就労した障害のある方が対象となります。
専門の職員が定期的な面談や相談対応を行い、職場での困りごとや生活面の課題について助言や調整を実施します。
本人だけでなく、必要に応じて家族への支援や企業側への働きかけも行われるのが特徴です。
また、障害者就業・生活支援センターや地域障害者職業センターなどの機関と連携し、長期的な職場定着を支える体制を整えています。
ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)は、厚生労働省が運営する国の就職支援機関です。年齢や経歴を問わず誰でも利用可能で、ひきこもりの方も利用できます。
ハローワークでは、主に以下の就労支援サービスを提供しています。
- 就職に関する相談
- 求人情報の紹介
- 失業給付の受付
- 職業訓練の相談・あっせん
- 就職活動に関するセミナー
若者や中高年層を対象とした専門窓口が設置されているハローワークもあり、ひきこもりの方への支援経験が豊富な職員が対応してくれるケースもあります。
まずはお近くのハローワークへの電話や窓口での相談、または「ハローワークインターネットサービス」を利用してみましょう。
ひきこもりの方が就労支援を受けるメリット

ひきこもりから社会復帰を目指す際、就労支援サービスの利用には多くのメリットが存在します。
- 生活リズムを整えられる
- 人や社会とのつながりを少しずつ増やせる
- 仕事に必要なスキルを身につけられる
- 障害特性に応じたサポートを受けられる
- 就職後も相談できる
- 経済的な支援が受けられる場合もある
それぞれ詳しく見てみましょう。
生活リズムを整えられる
就労支援事業所に通所すると、規則正しい生活習慣を取り戻しやすくなります。
ひきこもり生活で昼夜逆転してしまった方でも、就労支援事業所では「朝決まった時間に通所する」「適度に体を動かす」といった訓練が組まれているため、自然と生活リズムが整います。
日中に活動し夜に休むペースに慣れると、心身の調子を崩さないセルフケア能力も身につきます。
事業所によっては、ストレスコントロール法や体調不良時の対処法なども学べるため、長く働き続けるためのスキルが養われるでしょう。
人や社会とのつながりを少しずつ増やせる
就労支援事業所は、社会参加へのリハビリテーションの場でもあります。
同じような生きづらさを抱えた利用者さんや、理解のある支援員と接するなかで、人との関わりに対する恐怖心を徐々に減らせるでしょう。
厚生労働省も、ひきこもりの方にとって安心して過ごせる居場所を持ち、小さな役割や作業を積み重ねることが、社会とのつながりを回復させるうえで重要だと示しています。
仕事に必要なスキルを身につけられる
就労支援事業所では、働くために必要なスキルを基礎から習得可能です。
例えば、就労移行支援のカリキュラムには、ビジネスマナーや基本的なパソコン操作のトレーニングが含まれており、社会人としての基礎力を着実に磨けます。
事業所によっては、プログラミングやWebデザイン、簿記といった専門的なスキルの講座や資格取得支援を行っているところもあります。
訓練やトレーニングのおかげで、「働いた経験がない」「社会人経験のブランクが長い」といったひきこもりの方でも、安心して就職に向けた準備を進められるのです。
B型事業所におけるパソコン作業については以下の記事で詳しく紹介しています。
障害特性に応じたサポートを受けられる
就労支援事業所の支援員は、社会福祉士や精神保健福祉士などの有資格者が多く、障害やメンタルヘルスに関する専門知識を持っています。
そのため、ひきこもりの背景にある発達障害や精神障害など、ご本人の特性や体調に合わせた細やかなサポートが受けられるでしょう。
例えば、コミュニケーションが苦手な方には対人スキルのトレーニング、集中力が続きにくい方には休憩の取り方の指導など、一人ひとりの課題に合わせた支援を提供してくれます。
就職活動全般のサポートを受けられる
就労支援事業所では、就職活動の始めから終わりまで、包括的なサポートを受けられます。
2.求人情報の提供
3.職場見学・企業実習
4.履歴書・職務経歴書の書き方添削
5.模擬面接
6.企業とのマッチング調整
支援員が長所や適性を客観的な視点で一緒に考えてくれるため、自分に合った仕事を見つけやすいでしょう。
また、職場見学や企業実習の機会も設けられており、応募前に職場の雰囲気や仕事内容を体験できるため、就職後のミスマッチ防止に役立ちます。
面接には支援員が同行し、本人が伝えきれなかったアピールポイントを補足したり、企業側に必要な配慮を事前に伝えてくれたりするケースもあります。
就職後も相談できる
多くの就労支援事業所では、就職した後も定期的な面談や職場訪問を行い、職場に長く定着できるようにフォローしてくれます。
仕事上の悩みや人間関係、体調面の不安などが出てきたときに、支援員へ相談できるため、1人で悩みを抱え込まずに済むでしょう。
就職後の不安を減らし、安心して新生活を続けられます。
経済的な支援が受けられる場合もある
就労支援では、状況に応じて公的な経済支援を受けられる場合があります。
例えば、ハローワークの「求職者支援制度」では、一定の条件を満たせば、職業訓練の受講中に月10万円の職業訓練受講給付金が受給可能です。
また、生活困窮者自立支援制度では、家賃相当額の住居確保給付金を支給したり、必要に応じて貸付金のあっせんをしたりします。
ひきこもりの方が就労支援を受ける際の注意点

就労支援サービスを利用するにあたって、注意すべき点も存在します。
良い面ばかりに目を向けていると、「こんなはずでは…」と後悔につながりかねません。注意点もしっかりと理解し、ご自身に合った支援内容かどうかを見極めましょう。
ひきこもりに特化していないサービスもある
就労移行支援や就労継続支援、就労定着支援は、基本的には障害のある方を対象としたサービスです。ひきこもりの方に特化したプログラムが用意されているとは限りません。
もちろん、訓練内容には生活リズムの改善やコミュニケーション練習など、ひきこもりの方が社会復帰するうえで役立つ要素も多く含まれています。
しかし、事業所の方針や提供されるプログラムによっては、ご自身の状況や課題に合致しない可能性も考えられます。
すぐに就職につながるわけではない
就労支援を利用したからといって、すぐに就職につながるわけではありません。
例えば、就労移行支援の場合、利用を開始してから実際に就職するまでの平均的な期間は、約1年4ヵ月とされています。
人によっては、訓練を受けても希望する職種に就けなかったり、就職までに想定以上の時間がかかったりする場合もあります。
参考:厚生労働省「第15回 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム 議事次第」
アルバイトや副業ができないこともある
就労移行支援の利用期間中は、基本的にアルバイトや副業ができません。
就労移行支援は、「単独での就職が困難なため、就労に必要な知識やスキルの習得、就職先の紹介といった支援が必要な方」を対象としています。
そのため、利用を開始する時点でほかの仕事に就いている方は、サービスの対象外となるのです。
就労移行定着支援事業所に通所している間は、仕事をして収入を得られないため、貯金やご家族からの援助、障害年金などを利用して生活する必要があります。
利用を開始する前に生活費をどのように確保するか、具体的な計画を立てておきましょう。
事業所の雰囲気や支援内容が合わない場合もある
就労支援事業所の雰囲気やプログラムが自分に合わず、かえってストレスの原因になってしまうケースもあります。
支援機関は全国に数多く存在し、それぞれ得意分野や支援のスタイルは異なります。例えば、少人数でじっくりと個別の支援を行う事業所もあれば、利用者さん同士のコミュニケーションが活発な事業所もあるでしょう。
「合わないな」と感じたら、無理して通い続ける必要はありません。まずは事業所の支援員に相談し、場合によっては他の事業所を検討してみましょう。
ひきこもりの方が就労支援を利用する流れ
障害者向けの就労支援サービスを利用する流れは、以下のとおりです。
2.必要に応じて病院・クリニックを受診する
3.就労支援事業所を探す
4.見学・体験利用に参加する
5.障害者サービス受給者証を申請する
6.契約を結び、利用を開始する
ひきこもりの期間が長いと「何から始めれば良いのだろう?」と不安になるかもしれませんが、上記のステップを踏んでいけば大丈夫です。
1人で抱え込まず、必要に応じて専門家の力を借りながら進めていきましょう。
- STEP1専門機関へ相談するまず、ひきこもり支援の専門窓口に相談しましょう。お住まいの自治体の生活困窮者自立支援窓口でも相談が可能です。
全国に設置されている相談窓口には、社会福祉士や臨床心理士などの資格を持った専門のコーディネーターが在籍しています。
いきなり就労支援事業所に連絡するのが不安な場合、まずは公的機関に電話やメール、対面で相談してみてください。
支援員は親身に話を聞き、利用できる支援サービスの紹介や今後のプランを一緒に考えてくれます。 - STEP2必要に応じて病院・クリニックを受診する状況によっては、専門医の診察や治療も必要です。
精神科や心療内科の受診に抵抗があるかもしれませんが、適切な診断や薬の処方によって症状が和らぎ、外出や訓練への意欲が湧いてくる場合もあります。
また、医師に診断書を書いてもらえば、障害福祉サービスの利用手続きがスムーズに進むでしょう。 - STEP3就労支援事業所を探す次に、就労支援事業所を探します。相談窓口で紹介してもらえる場合も多いですが、インターネットで検索しても見つけられます。
事業所ごとに得意分野や支援プログラム、雰囲気が異なるため、いくつかの事業所を比較検討してみましょう。
自治体の担当者に希望を伝えれば、ご希望に合った事業所をいくつか提案してくれる場合もあります。 - STEP4見学・体験利用に参加する利用したい事業所の候補が見つかったら、見学や体験利用を申し込みましょう。事前に事業所へ連絡すれば、支援員が日程を調整してくれます。
実際に施設へ足を運ぶと、ホームページやパンフレットだけではわからない雰囲気が感じ取れます。
多くの事業所では1日から数日間の体験利用ができるので、体験プログラムに参加してみましょう。支援員の対応や設備環境などを確認し、不安な点や疑問があれば、遠慮なく質問してください。 - STEP5障害者サービス受給者証を申請する利用する事業所が決まったら、サービスを受けるための正式な手続きを進めます。
就労移行支援や就労継続支援は障害福祉サービスの一種であるため、利用するには自治体が発行する「障害福祉サービス受給者証(以下、受給者証)」が必要です。
受給者証の申請は、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口で行います。申請の際には、以下のものを用意しましょう。受給者証の申請に必要なもの- 印鑑(認印)
- 申請書
- 氏名・住所が確認できる書類
- 障害が確認できる書類(障害者手帳・医師の診断書・自立支援医療受給者証など)
- 世帯収入を証明する書類
- サービス等利用計画案
サービス等利用計画案とは、どのサービスをどれだけ利用するかが記載された書類です。ご自身での作成が難しい場合は、相談支援事業所に無料で作成を依頼できます。
申請から交付まで1〜2ヵ月程度かかるため、早めに手続きを済ませておきましょう。 - STEP6契約を結び、利用を開始する受給者証が手元に届いたら、いよいよ事業所との利用契約を結びます。契約書には利用開始日や利用日数、サービス内容、注意事項などが詳しく記載されています。
内容をしっかりと確認したうえで署名・捺印し、利用を開始しましょう。
就労センターは自分のペースで社会参加できる

ひきこもりの期間が長かった方は、まずご自身のペースで社会参加を進められる環境を見つけましょう。いきなりフルタイムで働くのは、心身ともに大きな負担となります。
愛知県内に複数のB型事業所を展開する「就労センター」では、利用者さんが少しずつ社会に慣れていけるよう、1人ひとりの状況に合わせた手厚いサポート体制を整えています。
仕事の種類が豊富
就労センターでは、企業から受注したパソコンを使った作業や軽作業など、多岐にわたる仕事を用意しています。興味のある分野の作業に取り組み、「自分にもできることがある」という自信を育みます。
週1回・半日から利用可能
「体力が持つか心配」「生活リズムがまだ整っていない」といった不安を抱えている方でも、安心してスタートできるのが就労センターの特長です。週に1回・半日の利用から始められます。
落ち着いた作業スペース
各事業所には、複数の個室ブースが設けられているため、周囲の目を気にせず、自分の作業に黙々と集中できる環境が確保されています。
比較的高い工賃
就労センターでは、利用者さんにお支払いする工賃額が県内平均よりも高い水準に設定されています。
令和5年度の愛知県内のB型事業所の平均工賃月額は23,428.4円でしたが、就労センターでは月に42,000〜47,000円ほどの工賃を支給しています。(※勤続年数、通所日数、生産活動実績による)
昼食・送迎のサポート
日替わりメニューの温かい昼食が無料で提供されるほか、自宅近くまでの無料送迎サービスも利用可能です。
よくある質問

最後に、ひきこもりの方が就労支援を利用する際によく寄せられる疑問にお答えします。
Q.費用はかかりますか?
多くの場合、利用料の自己負担はほとんどありません。
就労移行支援や就労継続支援といった障害福祉サービスは、費用の9割を公費で負担し、自己負担は1割が原則です。
さらに、所得に応じた月額上限額が定められており、生活保護世帯や低所得世帯の方は自己負担0円で利用できます。
ただし、事業所に通うための交通費や昼食代などは別途必要です。
交通費については、お住まいの自治体による助成制度や、事業所の送迎サービスを利用できる場合があります。
Q.親や家族だけでも相談できますか?
ご家族の方のみでのご相談も可能です。
ひきこもりに関する支援では、ご本人より先に、ご家族が相談窓口へ来られるケースが少なくありません。そのため、多くの支援機関ではご家族からの相談にも対応しています。
Q.何歳まで利用できますか?
就労移行支援やA型事業所の場合、原則として、利用開始時に18歳以上65歳未満の方が対象です。
ただし、65歳になる前に5年間、障害福祉サービスの支給決定を受けていた方など、一定の条件を満たせば、65歳以降も継続してサービスを利用できる場合があります。
また、15歳以上であれば児童相談所長の意見書によって、特例として就労移行支援の利用が認められるケースも存在します。
年齢に関する詳しい条件は、お近くの相談窓口でご確認ください。
Q.障害者手帳がなくても利用できますか?
障害者手帳をお持ちでなくても就労支援サービスの利用は可能です。
医師による診断書・意見書、自立支援医療受給者証などがあれば、自治体の判断によって障害福祉サービスの利用が認められるでしょう。
まとめ|ひきこもりでも一歩を踏み出せる就労支援を活用しよう
ひきこもりの方が利用できる就労支援サービスの種類、メリットや注意点、利用開始までの流れを解説しました。
就労継続支援や就労移行支援、サポステなど、ひきこもりからの社会復帰を支える就労支援は数多く存在します。
1人で抱え込まず、専門の支援機関に相談しましょう。
見学や体験利用に参加し、ご自身のペースや状況に合った就労支援サービスを利用すると、社会復帰の一歩を踏み出せます。
この記事が、あなたの新たなスタートのきっかけとなれば幸いです。

2014年に行政書士資格取得後、行政書士法人にて研鑽を積み、2016年から障害福祉分野に注力。福祉事業所には欠かせない都道府県・市町村への各種申請件数は100件以上。
また、福祉施策調査を実施し、障害福祉事業所に対し、運営提言も行っている。「行政書士ありもと法律事務所」の代表行政書士でもある。

大学では社会福祉学を専攻し、社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得。障害者就業・生活支援センターと就業継続支援事業所にて精神障害・発達障害のある方を中心とした就労支援に携わる。現在は障害福祉領域に関する知識と経験を活かし、ライターとして活動中。














