COLUMNコラム

コラム2026.01.19

社会福祉士はどんな仕事?将来性・なり方・魅力・向いている人を紹介

  • 社会福祉士はどんなことをする仕事なの?
  • 社会福祉士が活動している分野や施設は?
  • 社会福祉士にはどうしたらなれるの?

この記事では上記のような疑問を解決します。

社会福祉士の登録者数は、令和7年度時点で31万5,589人です。さらに、国家試験に合格した新たな社会福祉士が毎年誕生しています。

社会福祉士は、相談援助業務を通して、地域の福祉増進に貢献できる仕事です。さまざまな分野や施設で社会福祉士が活躍しています。

社会福祉士を詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

社会福祉士は「生活上の困難を抱えている人」を支援する仕事

社会福祉士は、生活上の困難を抱えている人からの福祉に関する相談に応じて、助言・指導・関係者との連絡および調整によって、相談者を支援する仕事です。

社会福祉士は、1987年に成立した「社会福祉士及び介護福祉士法」によって介護福祉士と同時に誕生しました。社会福祉分野で数少ない国家資格の1つです。

主な支援対象者

社会福祉士が支援する人は、以下の理由で日常生活に暮らしにくさを抱えています。

  • 身体もしくは精神上の障害
  • 環境上の理由(虐待などの家庭環境・貧困などの経済状況・周囲からの支援がない状況など)

社会福祉士は、生活上の困難を抱えている人に対して、社会福祉に関する専門的知識や技術を活用して支援します。

業務内容

社会福祉士の業務の第一歩は、生活上の困難を抱えている人からの相談に応じることです。

まず相手の話を聞いて、「今どんな気持ちか」「何に困っているか」を確認し相談者の現状を把握します。次に「助言・指導・関係者との連絡および調整」を行うことで、相談者をサポートしていきます。

高齢者の介護施設で生活相談員として働く社会福祉士を例に挙げてみましょう。

生活相談員は、介護施設を利用する方やその家族からの相談に応じて、本人が望む日常生活を過ごせるように支援します。具体的には、新たな介護サービスを提案したり介護支援専門員(ケアマネジャー)や医療機関と連携を取ったりして、介護サービスに過不足がないように調整するのです。

高齢者分野を例に挙げましたが、社会福祉士の業務内容は働く施設・事業所によって大きく異なります。詳しくは「社会福祉士の就職先と将来性」で解説します。

一日のスケジュール例

就労継続支援B型で生活相談員として働く社会福祉士の一日は、以下のとおりです。

9:00~10:00 出勤~施設内の清掃
10:00~12:00 朝礼~作業(シール貼り・封入れ作業・スケジュールの調整など)
12:00~13:00 休憩
13:00~15:00 複数の利用者さんと面談
13:00~15:00 サービス担当者会議参加、ケース検討会
15:00~16:00 成果物の納品
16:00~17:00 利用者さんの送迎
17:00~18:00 支援記録の入力業務
18:00 退勤

就労継続支援B型の生活支援員として働く社会福祉士の場合、利用者と同じ作業を行いながら「本人の体調に問題はないか」「今の作業内容は合っているか」などをコミュニケーションを通じて確認します。

特別養護老人ホームで働く社会福祉士の一日は以下のとおりです。

9:00~10:00 出勤~施設内の清掃
10:00~12:00 施設内の入所検討会議に出席
12:00~13:00 休憩
13:00~15:00 入所希望者(本人・家族)との面談
15:00~17:00 入居者の通院介助
17:00~18:00 書類作成業務
18:00 退勤

特別養護老人ホームでは、退所者が出たときや出そうなときに、次の入所者を決める「入所検討会議」が開かれます。生活相談員は、本人の既往歴や身体状況、介護者の有無や在宅介護の状況などを報告するために出席することが一般的です。

他にも、特別養護老人ホームの社会福祉士は、施設見学に来た方と面談したり必要な情報を提供したりして、地域で暮らす高齢者の暮らしを支援します。

他の資格との違い

社会福祉士と精神保健福祉士・介護支援専門員の違いをみてみましょう。

社会福祉士と精神保健福祉士・介護支援専門員の違い
精神保健福祉士 介護支援専門員
心に病気や障害を抱える方の地域相談支援に関する相談に応じて、社会復帰や日常生活を支援する仕事 要介護または要支援状態にある高齢者の相談を受けて、適切な介護サービスの提供へとつなげる仕事

社会福祉士が、生活上の困難を抱えている人を幅広く対象とするのに対して、精神保健福祉士は普段の生活に苦しさを感じている「精神障害者や心の病を抱えた人」をサポートします

介護支援専門員の対象者は、主に要介護または要支援状態と認定された高齢者や家族です。そのため、高齢者福祉分野で介護保険制度のマネジメントを行う専門職と捉えられます。

社会福祉士と他の資格を同時に所持するメリットは、後述の「持っていて役立つ資格や業務経験はある?」にて説明します。

社会福祉士の就職先と将来性

社会福祉士の就職先と将来性をみていきましょう。

活躍できる職場

社会福祉士が活躍できる主な職場は、以下のとおりです。

社会福祉士が活躍できる主な職場
  • 児童福祉
  • 障害福祉
  • 高齢者福祉
  • その他の領域(医療機関・生活保護・困窮者支援・触法者支援など)

主な就職先と役職

ここでは、児童・高齢者・障害者・その他に分けて主な就職先と職種名を紹介します。

児童分野
事業所・施設名 職種名
児童相談所 ケースワーカー
ソーシャルワーカーなど
児童福祉施設 相談員
支援員
母子生活支援施設 相談員
支援員
学校 スクールソーシャルワーカー
障害者分野
事業所・施設名 職種名
障害者就労支援事業所 生活支援員
就労支援員など
障害者相談支援事業所 相談支援専門員など
入所施設・生活介護事業所 生活支援員
高齢者分野
事業所・施設名 職種名
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) 生活相談員
介護老人保健施設 生活相談員
生活指導員
通所介護施設(デイサービス) 生活相談員
地域包括支援センター 社会福祉士
その他の分野
事業所・施設名 職種名
福祉事務所、精神保健福祉センター 県・市町村職員
社会福祉協議会 コミュニティソーシャルワーカー(CSW)
地域福祉コーディネーターなど
医療機関 医療ソーシャルワーカー(MSW)
矯正施設(刑務所・少年院など) 福祉専門官

平均年収

社会福祉士の平均年収(正規職員・契約職員・パートタイム職員を含む)は403万円です。

この数値は、令和2年度に公益財団法人社会福祉振興・試験センターが実施した「就労状況調査」を基に記載しています。平均年収403万円は、同調査の介護福祉士の平均年収(292万円)を上回る数値です。

※参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の『就労状況調査』(速報版)について

続いて、社会福祉士の代表的な職場と平均年収を確認しましょう。

社会福祉士の代表的な職場と平均年収
代表的な職場 平均年収
高齢者福祉関係 392万円
障害者福祉関係 401万円
児童・母子福祉関係 414万円
生活保護関係(保護施設・無料低額宿泊所など) 453万円
地域福祉関係(福祉事務所・社会福祉協議会など) 444万円
生活困窮者自立支援関係(ひきこもり地域支援センターなど) 362万円
医療関係 399万円
学校教育関係(小学校・中学校・高等学校など) 306万円
就業支援関係(ハローワークや障害者就業・生活支援センターなど) 378万円
司法関係(矯正施設・保護観察所など) 433万円
行政関係(都道府県庁・区役所など) 443万円

※参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士就労状況調査実施結果報告書

社会福祉士が求められる理由

社会福祉士が社会から求められるのは、障害・高齢者・困窮・児童といった福祉分野の垣根を越えた支援を期待されているからです。

たとえば、病気や障害によって要介護状態となった高齢者が貧困状態になった場合、介護保険制度だけでなく地方自治体の貧困者支援対策などを活用して、本人を支援します。

社会福祉士は、各分野の制度や仕組みを連携させることのできる仕事です。

社会福祉士になるには国家試験に合格する必要がある

社会福祉士になるには、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが毎年実施する「社会福祉士国家試験」に合格する必要があります

試験合格後は、社会福祉士登録簿に登録申請をすることで、社会福祉士の名称を用いることが認められます。登録申請に期限はありませんが、登録をしないと社会福祉士の名称を使用することはできません。

※参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「資格登録(社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士)

受験資格と試験の流れ

社会福祉士国家試験をはじめて受験する方は、以下の流れで受験します。

試験の流れ
  1. 公益財団法人社会福祉振興・試験センターに「受験の手引き」を請求する
  2. 発送された「受験の手引」を受け取る
  3. 「受験の手引」を参考に必要な手続きを行う(受験手数料の支払いなど)
  4. 発送された受験票を受け取る
  5. 試験を受ける

※参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験 受験申し込み手続き

社会福祉士国家試験の申し込みの受付期間は、例年9月上旬から10月上旬にかけての約1か月間です。受験の手引きを請求する際は、申し込み受付期間内に手続きが間に合うよう早めに申し込みましょう。

なお、令和8年度に実施される予定の社会福祉士国家試験の受験手数料は以下のとおりです。

社会福祉士国家試験の受験手数料
区分 受験手数料
社会福祉士のみ受験する 県1万9,370円
同年度に社会福祉士と精神保健福祉士を受験する 3万6,360円
社会福祉士の共通科目免除で受験する 1万6,230円

※参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「会福祉士国家試験 試験概要

受験資格を取得するルートは3つ

社会福祉士国家試験の受験資格を得る方法は、以下の3つに分けられます。

社会福祉士国家試験の受験資格を得る方法
  • 福祉系大学等
  • 福祉分野の行政職
  • 一般大学等

1.福祉系大学等

福祉系大学や福祉系短期大学にて基礎科目のみ履修した場合は、短期養成施設等に半年以上通う必要があります。

一方、福祉系大学・福祉系短期大学にて指定科目を履修した場合は、短期養成施設等に通う必要はありません。ただし、3年制の短期大学を卒業した人は1年以上の相談援助実務経験が必要となり、2年制の場合は2年以上の相談援助実務経験が必要です。

なお、4年制の福祉系大学を卒業した人は、卒業と同時に社会福祉士試験の受験資格を得られます。

2.福祉分野の行政職

福祉分野の行政職のルートでは、児童福祉司や査察指導員などの行政職にて①4年以上の実務経験を満たし②短期養成施設等に半年以上通うことで、社会福祉士試験の受験資格を得られます。

3.一般大学等

一般大学や短期大学の場合は、いずれのルートでも一般養成施設に1年以上通う必要があります。なお、3年制の短期大学の場合は1年以上の相談援助実務経験が必要です。2年制の場合は2年以上の相談援助実務経験が必要となります。

このように、社会福祉士試験の受験資格は、学校の種類・履修科目・相談援助の実務経験などが厳格に定められています。

ご自身の受験資格を確認する際は、必ず公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページから「受験資格」の詳細を確認いただき、不明点があれば試験センターに直接確認しましょう。

以下に、受験要件を確認する際に役立つ用語とその意味を紹介します。

用語 意味
福祉系大学等 福祉系大学・福祉系短期大学などの福祉分野を中心に学ぶ大学や短期大学。福祉系の専門学校または専修学校も含まれる
基礎科目 厚生労働省令で定められた16科目
短期養成施設等・一般養成施設等 社会福祉士養成のための専門コースを設けている施設。福祉系の専門学校が多く夜間に通ったりインターネットを利用した通信課程でも学べる

参考
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験 受験資格(資格取得ルート図
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験 受験資格 短期養成施設・一般養成施設

実務経験として認められる職種と認められない職種

社会福祉士国家試験の実務経験として「認められる職種・認められない職種」は、児童・高齢者・障害などの分野によって異なります。

参考までに、高齢者分野で認められる職種と認められない主な職種は次のとおりです。

認められる主な職種
  • 生活相談員
  • 職業指導員
  • サービス管理責任者
  • 生活相談員
  • 介護支援専門員
認められない主な職種
  • 介護職員
  • 看護師
  • 機能訓練指導員
  • 訪問介護員
  • 栄養士・調理師

※参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「受験資格 相談援助業務(実務経験)

社会福祉分野で就労経験のある方は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの受験資格のページから、過去の業務が該当するかを確認しましょう。

難易度と合格率

令和7年2月に実施された第37回社会福祉士国家試験の合格率は56.3%(2万7,616人/1万5,561人)です。

ただし、第1回から第37回までの平均合格率は30.2%となっており、社会福祉士国家試験は、他の福祉系資格と比べて難易度の高い試験といえます。

第1回から第37回までの「受験者数・合格者数の類型・合格率」について、同じ国家資格である介護福祉士と比較してみましょう。

高齢者分野
項目 社会福祉士 介護福祉士
受験者数 108万904人 294万7,088人
合格者数 32万6,607人 172万7,154人
合格率 30.2% 58.6%

介護福祉士の平均合格率58.6%に対して社会福祉士の合格率は30.2%と、およそ28%の差があります。

筆記試験の指定科目

筆記試験の指定科目は全部で19科目です。内訳は以下のとおりです。

筆記試験の指定科目
  1. 医学概論
  2. 心理学と心理的支援
  3. 社会学と社会システム
  4. 社会福祉の原理と政策
  5. 社会福祉調査の基礎
  6. ソーシャルワークの基盤と専門職
  7. ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)
  8. ソーシャルワークの理論と方法
  9. ソーシャルワークの理論と方法(専門)
  10. 地域福祉と包括的支援体制
  11. 福祉サービスの組織と経営
  12. 社会保障
  13. 高齢者福祉
  14. 障害者福祉
  15. 児童・家庭福祉
  16. 貧困に対する支援
  17. 保健医療と福祉
  18. 権利擁護を支える法制度
  19. 刑事司法と福祉

筆記試験の範囲は広いため、満遍なく学べるように計画性が大切です。なお、社会福祉士国家試験の合格基準は「問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上」です。

ただし、各科目で1点を満たせない場合(0点の科目がある)と不合格となりますのでご注意ください。

※参考
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験 試験概要
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験 出題基準・合格基準

学習費用とおすすめの学習方法

おすすめの勉強方法は、テキスト・問題集・過去問の併用です。書店やAmazonなどのECサイトには、社会福祉士試験対策として、さまざまな種類のテキスト・問題集・過去問が販売されています。

テキストで基礎を学び、問題集や過去問で実践することで、社会福祉試験合格に必要な知識を身につけられるでしょう。なお、テキストの値段は1冊3,000円から5,000円程です。

テキスト・問題集・過去問をそれぞれ1冊ずつ購入すると、1万2,000円から1万5,000円ほどの学習費用となります。決して安い買い物ではないため、できれば書店などで実物を確認して「学習しやすい」と思える書籍を選びましょう。

社会福祉士のやりがいや魅力

社会福祉士のやりがいや魅力を確認して、今後の参考にしてみてください。

人や地域の役に立てる

社会福祉士は、生活に暮らしにくさを感じている人の役に立ち、地域の福祉増進に貢献できる仕事です。

たとえば、1人暮らしの高齢者が「スーパーやコンビニが少なくて、食料品の買い出しが大変」といった暮らしにくさを抱えているとき、その地域で暮らす他の高齢者世帯も似たような問題を感じている可能性があります。

解決方法として、買い物代行サービスの紹介や訪問販売・移動販売の利用などが考えられます。パソコンやインターネットの活用方法をレクチャーして、ネットショッピングを勧めるのもよいでしょう。

こうした解決方法を、1人の高齢者だけでなく地域全体に普及させることができれば、地域福祉の増進を目指せます。

障害分野であれば、障害者支援施設の生活支援員として、障害を持つ人が自立した生活を営めるよう支援するのも社会福祉士の大切な役割です。

利用者の希望や障害に合わせて、適切な生産活動を提供したり日常生活上の相談(施設の人間関係に関する相談など)にのったりすることで、利用者の身近なところでその人の自立をサポートするのです。

社会福祉士は個別の相談者の支援を通じて、地域全体の福祉の増進に貢献できる仕事です。

感謝の言葉をもらえる

社会福祉士は、支援した相談者・ご家族などから直接感謝の言葉をもらえる仕事です。

社会福祉士は相談者の持つ課題解決に向けともに考え、関係機関と情報共有を行い「何がてきないのか」「どのような支援があれば、課題解決に繋がるのか」を見極めて、相談者を支えます。

また、相談者の支援は簡単な業務ではないからこそ、相談者が主体的に次のステップに進めたときは、言葉や態度で感謝の言葉をもらえる場面が多くあります。

さまざまな価値観にふれられる

社会福祉士は、相談者やその家族だけでなく、関係機関のさまざまな専門職と関わりを持つ仕事です。

たとえば、就労継続支援事業所で働く社会福祉士は、ハローワークや障害者就業・生活支援センターや行政の職員と顔を合わせる機会があります。

こうした他の専門職との関わりの中で、新たな価値観にふれたり自分にはなかった考え方を教わったりする機会があるのです。相談者が望む支援方法を模索する中で、社会福祉士としての専門性が磨かれることは少なくありません。

社会福祉士は、他の専門職との関わりを通じて成長していける仕事といえます。

将来性がある

社会福祉士は、将来性の高い仕事です。

内閣府ホームページの「令和7年版高齢社会白書」によると、令和6年10月の国内総人口は、1億2,380万人。65歳以上の人口は3,624万人で総人口の29.3%を占めています。

また、障害者の数をみると、令和4年における日本の障害者の総数(統計値)はおよそ1,164万人で人口の約9.3%にあたります。療育手帳と精神障害者保健福祉手帳の所持者は、前回の平成28年の調査結果を上回る人数となっています。

高齢化が進行し障害者数が増加している日本では、社会福祉士のような福祉全体の増進に貢献する存在が欠かせません。社会福祉士は今後も多くの施設・事業所から求められるでしょう。

社会福祉士に向いている人

どのような人が社会福祉士に向いているのでしょうか。社会福祉士が向いている人の特徴と理由を紹介します。

人や地域への興味・関心がある

人や地域への興味・関心がある人は、他者の言動や地域の変化に敏感な人といえます。

こうした人は、地域の社会資源を有効活用できる可能性が高いため、社会福祉士に向いています。

社会資源とは、法律や制度に基づく公的なサービス(フォーマルな社会資源)と地域独自で利用できるサービス(インフォーマルな社会資源)があり、社会資源は相談者のニーズ(困りごと)を解決する時に大いに役立ちます。

人や地域への興味・関心がある人は、地域の中にある相談者の課題解決に役立つ制度や仕組みを発見しやすいため、社会福祉士に向いていると考えられます。

人とのコミュニケーションが好き

「人とつながりを持つことが好き」「人と直接コミュニケーションとるのが好き」という人は、社会福祉士として活躍できるかもしれません。

社会福祉士は、相談者とのコミュニケーションを通じて、その人が持つ課題を明確にしたり解決方法を一緒に考えたりします。相談援助の第一歩は、相手とのコミュニケーションなのです。

反対に、人の好き嫌いが激しかったり人とのコミュニケーションが苦手だったりする人は、相談者に合った支援が難しいかもしれません。

忍耐力がある

忍耐力がある人も、社会福祉士はオススメです。

社会福祉士が相談者と向き合うとき、忍耐力を求められる場面があります。なぜなら、相談援助場面では、病気や事故、人間関係などが原因で、思いがけず身体や精神に障害を抱えることになった人と向き合うことが多くあり、生きづらさや苦しさ等を感じている人の気持ちを受けとめる必要があるからです。

その点、忍耐力がある人は、相談者の感情を整理して、問題の解決に向けて前を向けるようになるまでをサポートできる素質があると考えます。

倫理観を持っている

倫理観を一言でいうと「人として守るべきこと、善悪の判断基準」です。

社会福祉士として従事していると、相談者から教えてもらった個人情報や相談者が「他人に知られたくない」と考えている情報を知る機会があり、課せられている守秘義務を徹底する必要があります。

倫理観が欠如している場合、本人や家族との信頼関係を損なうのはもちろんのこと、所属している団体や法人の信用を下げる恐れがあるため注意しましょう。

よくある質問

社会福祉士と関連の深い質問を7つ紹介します。

持っていて役立つ資格や業務経験はある?

社会福祉士の業務に役立つ代表的な資格に精神保健福祉士が挙げられます。

介護支援専門員と精神保健福祉士は、どちらも利用者や患者からの相談に応じ、適切な相談援助を行う仕事です。ご自身が働く社会福祉の分野に合わせた資格を取得すると、現場で役立つ知識・業務が身につくでしょう。

なお、社会福祉士を取得していると、精神保健福祉士の国家試験の共通科目が免除され専門科目のみの受験となります。

給料はどのように決まるの?上げる方法はある?

社会福祉士の給料は、勤め先の会社・法人・団体などが定める給与体系で決まります。

たとえば、「福祉事務所」は都道府県および市に設置が義務付けられている行政機関にあたるため、地方公務員の給与体系が適用されます。

民間の会社や団体に勤める場合は、勤め先の給与体系が適用されます。給料が上がる仕組みについても同様です。

働くことで身につくスキルは?

社会福祉士として働くことで、相談援助の基本的な姿勢が身につくと考えられます。

ここでいう相談援助の基本的な姿勢とは、「相談者の力を見極めて、できることは本人に行ってもらうこと」「援助側は、助言や指導、関係機関との連絡調整を通じて本人の力が発揮できる環境をつくること」です。

特に社会福祉士には、相談者を一方的に助けるというよりも、相談者が本来持っている力を発揮できるように支援していく姿勢が求められます。

社会福祉士として働くことで、相手と一緒に課題を解決していくスキルが身につくでしょう。

ステップアップやキャリアアップの具体例を知りたい

社会福祉士のステップアップは、勤め先の法人や団体、働く施設や事業所によって大きく異なります。

参考までに、障害者分野の社会福祉士(生活支援員)のステップアップ例をみてみましょう。

時期 役職
入職1年目~3年目 生活支援員・職業指導員
3年目~7年目 副主任・主任生活支援員
7年目~10年目 サービス管理責任者
10年~ 副施設長・施設長

精神保健福祉士を取得することで自身の専門性をさらに高めて、法人内で役職者を目指す選択肢も有効なステップアップでしょう。

ステップアップ・キャリアアップを目指す際は、これまでの経験や技能をいかしつつ、ご自身が取り組んでみたい業務を確認しましょう。

社会福祉士と関連の深い仕事は?

福祉分野で社会福祉士と関連の深い仕事は、精神保健福祉士・介護福祉士・保育士です。いずれの資格も人の生活や地域の福祉を支えることを目的としており、お互いの専門性をいかした支援を行います。

また、社会福祉士と精神保健福祉士・介護福祉士・保育士は、資格を持っている人だけが用いることのできる「名称独占資格」です。

名称独占資格では、資格所有者以外はその名称を用いて業務を行うことが認められません。

名称独占資格の反対の言葉は、「業務独占資格」であり、弁護士や医師が該当します。業務独占資格では、資格所有者以外が該当する業務に携わることが禁じられています。

※参考:厚生労働省「資格の例

社会福祉士のワークライフバランスを教えて

社会福祉士は仕事と生活のバランスを整えやすい仕事です。

また、社会福祉士の勤務時間は日中であることが多く、24時間稼働している病院や介護施設に勤務していても、基本的に朝に出社して夕方から夜にかけて退社する人が大半です。 

また、行政機関で働く場合は、土日と祝日は通常お休みです。一方、民間施設で働く場合は勤め先との契約に準じるため、土日祝日でも勤務が入る可能性はあります。

比較的同じリズムで生活できる社会福祉士は、仕事以外のプライベートを充実させたい人にもおすすめの仕事です。

ただし、相談が立て込んだりして業務が大変な時期は、上手に息抜きする必要もあるでしょう。オフの日は仕事のことばかり考えずに済むような工夫も大切です。

認定社会福祉士との違いは?

認定社会福祉士とは、障害分野・高齢分野・医療分野などの各分野にて、高度な専門知識と技術を用いて「他職種連携」「地域福祉の増進」「個別支援」に取り組む能力があると認められた人を指します。

認定社会福祉士になるには、「社会福祉士資格を取得してからの相談援助実務経験が5年以上あること」「社会福祉士制度における指定施設および職種に準ずる業務等に従事していること」などの取得要件を満たす必要があることから、社会福祉士の上位資格といえます。

なお、認定社会福祉士のさらに上位には「認定上級社会福祉士」があり、より厳しい取得要件が定められています。

※参考:認定社会福祉士認証・認定機構「「認定社会福祉士」「認定上級社会福祉士」を取得するには

まとめ:社会福祉士は人や地域の役に立つ仕事

社会福祉士は、日常生活に困難を抱えている人の役に立ち、地域の福祉増進に貢献できる仕事です。

社会福祉士になるには、年1回実施される国家試験に合格する必要があります。社会福祉士国家試験の出題範囲は幅広いため、計画的な学習が大切です。

社会福祉士は、人や地域に興味のある人なら誰でも向いている可能性があります。

社会福祉士に少しでも興味のある方は、ぜひこの機会に社会福祉士の取得を検討してみてください。最後までお読みいただきありがとうございました。

監修行政書士 有元 吉野

2014年に行政書士資格取得後、行政書士法人にて研鑽を積み、2016年から障害福祉分野に注力。福祉事業所には欠かせない都道府県・市町村への各種申請件数は100件以上。
また、福祉施策調査を実施し、障害福祉事業所に対し、運営提言も行っている。「行政書士ありもと法律事務所」の代表行政書士でもある。

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